2020.09.16

なぜ進まない!?企業の自動化の課題と進め方

文:SIOS Murata

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SIOSのDX Product & Integrationチームでマーケティングを担当している村田です。

今回は4月28日に開催しましたWebinarコンテンツを元に、なぜ企業では自動化を使うということが定着しないのか?をこれまでの活動で得られたユーザーからの声を元に課題と進め方を紹介していきたいと思います。

そもそもITの自動化とは?はこちらから

企業の自動化の取り組みに対する課題の傾向

サイオステクノロジーが主催したAnsible Automation Workshop の参加者よりアンケートにご回答いただきました合計142名からの声をもとに、自動化の課題に対する傾向をみてみるとネガティブな声が大きいのが人材問題・人員不足という声でした。自動化に詳しい人材が不足しているという声が29.6%、人員不足を指摘する声が18.9%と多くのユーザーが自動化を取り組むための人材不足を指摘している結果になりました。

次に情報収集や学習の方法に対する課題が15.5%、業務の属人化が自動化の普及を阻むという声が14.6%と続く結果になりました。

一方で、過去には意見として見られた費用の問題や新たしい事へ取り組むことに抵抗があると答えた数は10%以下とネガティブなイメージを持つ方は少ないことがアンケート結果から分かりました。

深刻な人材不足への対策が急務

DXレポート 2025年の崖でも触れられたことで多くの方が技術者不足が日本企業の競争力低下に繋がり、崖から転落していく可能性がある危機的状況だと認知はされていると思います。しかし、現在のレガシーなシステムから脱却して運用のあり方を劇的に改善した企業はまだまだ聞こえて来ないのが現状です。

2019年をピークにIT人材は減少を迎えるという国勢調査の調査結果もあり、ITシステムの管理の生産性を上げる取り組みはすぐにでも始めなければ生き残れないと言っても過言ではない状況にあると考えています。

この中ですぐに手を打てる手段が現在のシステム運用を自動化することです。

ITシステムの運用業務に自動化を取り入れ効率化を

ITシステムの運用を自動化したいと考えた時に多くの企業では以下のステップを考えるのではないかと思います。

  1. 自動化チームを立ち上げる
  2. 自社内の運用ポイントを見極める
  3. 実施可能なところから実行する

この時に、各ステップ毎に上がりやすい課題と対策をいくつかあげてみました。

1.自動化チームを立ち上げる

自動化チームの立ち上げの際に多く聞かれる声として、自動化に精通した人材がいないこと、教育方法に関することが多く寄せられます。社内での自動化を推進してくれる人材は最も大事であり、この自動化に精通した人材(ヒーロー)が立ち上がらないことには企業の中で自動化は定着しないと考えています。

このような人材を育成するにはどのようなプロセスが必要なのかは関心のある企業は多いかと思います。

Ansibleを学習する上で効果的な手段として、Red Hatではラーニングサブスクリプションというオンラインでレッドハット社の持つソリューションを学べるサービスが提供されています。こちらを購入頂き学習することで企業で求められる自動化の技術の基礎は習得できます。

しかし、教育予算をとなると計画作成から予算取りと順に進めていかないと承認が得られない場合があり、そこで遅れてしまうケースもあると思います。

せっかくの取り組みが遅れてしまうのはもったいないことです。そんな時にはまずはAnsible自体を実際に触ってみて何が出来るのかを知ることから始めるのも良いのではないでしょうか。サイオステクノロジーではこのような企業のニーズに応えるために定期的にWorkshop の開催を行っております。※日程等、詳しくはお問い合わせください。

2.自社内の運用ポイントを見極める

Ansibleを知り、基本的なPlaybookの読み書きができる状態、自動化を実行できる状態が出来たなら、次は自社内のどのシステムに適用できるのか、どのような運用形態にすればよいのかの検討に入るかと思います。

評価環境が用意されているシステムであれば、まず評価環境へ自動化の仕組みを取り入れて検証・評価頂くことをおすすめします。実際に使うことで効果と課題を知ることができます。Ansible Automation の評価についてはこちらで30日のトライアルが用意されています。

適用ポイントが掴めない、実際に評価してみたがうまく行かないという時にはディスカバリーセッションにて自動化のゴールの確認と課題の整理・対策をご支援することができます。自動化の推進にてお困りの際もお気軽にお声がけください。

3.実施可能なところから実行する

適用するポイントが決定したらあとは実行するだけです。

しかし、実際に評価環境では自動化を適用して問題がなかったとしてもそれを本番環境に適用しようとした瞬間からストップがかかってしまう場合や、1つのシステムには適用できたものの横展開しようとした場合に導入を拒まれてしまう場合も過去のケースではありました。

これまでの運用プロセスで大きな問題がなかったので変える必要はないという意見や、運用を変えることで問題が起こった場合の責任が負えないので変えないというネガティブな意見で自動化の適用が拒まれてしまうことが実際に起こるケースがあるのが残念なところです。

また、業務が効率化されることで今の人員を削減することになるのが嫌という声もありました。

自動化を取り入れることでこれまでの繰り返しの手作業は自動化の導入により効率化が図られます。しかし、自動化の仕組みを新たに設計する、実行するという新たな業務は発生し生産性の向上と品質の向上には継続して人員は当てていかねばなりません。

自動化=人件費削減と安易に考えて進めるとこのような場面にも遭遇してしまいますのでご注意ください。

これらのケースは日本のITインフラ運用の大半が守りの運用であるがために起こり得る状況であり、企業文化から変えていかねばならないと考えています。

自動化を導入することで、繰り返しの作業に費やす時間が減り、減った時間を新たなシステムへの取組や現在のシステムの品質改善を行う時間に費やせるというプラスのメリットにも目を向けてもらうことが重要です。

課題:
自動化をどこから始めればよいか分からない
効率的な学習方法が分からない  課題:
自動化のツールでどこまで出来るか分からない
大規模から?小規模から?実案件から?社内評価から?
課題:
上司やシステム管理者の説得
社内への啓蒙方法

自動化というととても良い響きでぜひ取り入れたいと思う方は多いかと思います。しかし企業で自動化を導入しようと思うと思いのほか障壁になるものが多いのが実情です。

壁になるのには誤った解釈や反対者の立ち位置やこれまでの実績や経験などから生まれるものがあり、一つずつ紐解いていかねばならないケースがあることを知り、そして納得をしての導入へと繋げてもらえると嬉しいところです。

文:SIOS Murata

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