
2022.03.15
ビジネスの継続性をインフラ視点で考える〜激変の世界情勢に標準プラットフォームの考察〜
文:SIOS Watanabe
現在、世界中の市場は大きな混乱のもとに目まぐるしく変化しています。有事により経済への影響も大きく、今後の動向を気にされている方も多いのではないでしょうか。
コロナ禍によりデジタル化の必要性を多くの人が認知をして、今まさに取り組もうとしている企業、取り組み途中の企業が多いと思いますが、不確実な情勢を生き抜き、そして成長するためにビジネスをデジタル化する重要性はより高くなったと思う方は増えたのではないかと思います。
本日はビジネスのデジタル化の中で一つの重要な観点として「ビジネスの継続性」について目を向けたいと思います。
これまでの運用がかかえる事業継続リスク
物理的な拠点、物理的な施設、そして、物理的な書類が1拠点にまとまっていた場合、万が一、その場所で災害や有事に巻き込まれた場合に全てを失ってしまうリスクがあります。
一般的に多くの企業はビジネスの継続性のため、拠点を複数に分散させてデータを持たせたり、本社機能を2拠点で実行できるようにバックアップを用意したりと対策を施します。
この観点はITシステムでも適用されているのか?と目を移した場合に意外と単一障害点となる部分が残ってしまっているのも現実です。ビジネスを継続する上で必要最低限の部分が確実に分散・冗長化されていることで最悪の事態を防ぐことができるので、ぜひビジネスを継続するという観点でITシステムも設計・運用頂くことをおすすめします。
クラウドサービスは、その中で複数の地域に分散できる機能もあるため事業継続の観点から有効です。多くの企業がクラウドリフトやクラウドシフトという取り組みを実施しています。しかし、コロナよりはじまった激動の世界情勢では、短期間に、かつ劇的に状況が変わるため、果たして巨大企業であってもビジネスの継続を担保できるのでしょうか。
今の情勢を考えれば、単一のクラウドサービスに全てのITシステムを運用するこれまでよりもリスクを高く見積もらないといけないのではないかと考えます。企業の重要なデータをどこに保管し、どのように冗長化するのか?これまでの「閉じたシステム」から継続性を考え複数のサービスで利用ができる「オープンなシステム」への転換は必須項目として考える必要があると考えます。
次世代のオープンな共通コンテナ基盤
「オープンなシステム」を実現する共通のプラットフォームとして、お勧めしたいのがRed Hat OpenShift Platformになります。
仮想化技術を用いた共通プラットフォームはすでに多くの企業が保有している状況だと思います。しかし、最近はコンテナプラットフォーム上に展開するアプリケーションの増加が見込まれ、また自社開発のアプリケーションもコンテナプラットフォーム上で開発することでより早く、そして柔軟な開発を実現できるようになることから、海外ではすでに標準的に利用がはじまったと言われています。
しかし、コンテナプラットフォームの標準環境と言われるKubernetesを運用するには非常に高度な技術力が求められます。一般の企業がKubernetesをそのまま利用することは難しいため、コンテナプラットフォームはクラウドサービスが提供するマネージドサービスを利用するか、Red Hat OpenShiftのようなコンテナプラットフォームソフトウェアを利用するかのどちらかになると思います。
クラウドサービスが提供するKubernetesのマネージドサービスは非常に便利ですぐに小さく始められるため、多くの企業が利用し標準となることが予想されます。しかし、1つのクラウドサービスに依存する場合、今の激動の市場の中では代替サービスへの移設の容易性も考えることが事業継続の観点からは求められます。
このような状況下では、複数のクラウドやオンプレミス環境にまたがり、同じ環境が利用できるハイブリットクラウドの構成で利用できる標準プラットフォームが非常に有効な手段となります。
ぜひ、この機会に一度ビジネスの継続性も配慮して社内の標準プラットフォームの構成を見直してみませんか?
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